2011/05/23

The Bride Stripped Bare by Her Bachelors Even (The Green Box)



もう終わってしまいましたが、最終日前日30分前に駆け込んだシュールレアリスム展は素晴らしく、本当はもう一度行きたかったのですが、念願かなわずでした。震災の影響で延期になっていた巖谷國士さんの講演も、示唆に富んだ素晴らしい内容であったようで→ 行けなかった事がとても悔やまれます。

写真は、急いでみてまわるうちに出会う数々のクールな作品に混じって、特に目をひき印象に残った、マルセル・デュシャンの「グリーン・ボックス」です。これは、なんと図書館に資料があったので、早速予約をしました。ほかには、ラウル・ユバックというベルギーの写真家の作品が、全て、スタイリッシュで幻想的でぐっと惹き付けられました。

もとは中学時代に好きになったレメディオス・バロを通じて知ったシュルレアリスムという形態。全てが好きな訳ではなく、むしろ好きなものは少ないですが、心の深いところでは惹かれているのだと思います。メビウスがトラウマになるほど影響を受けたというレーモン・ルーセルも、きちんと踏み込んでみたいです。

2011/05/21

in the light of the miracle



美しい曲は数あれど、アーサー・ラッセルのin the light of the miracleが今、私の中で最も輝かしく美しいです。すべての音、一音一音が生命を持って輝いて、陰影を持ち、お互いに息づいている事。そしてジャケットのイメージか、海の底から太陽の光をのぞむような、とても明るく光に包まれているような音。 そして常に雨が降ってくる気配のような空気が漂っている音。



ピアノを始めた始めの始めの方から、音への多彩な感性を同時に学んでいたはずであるので、今はそれを必死に思い出そうと思います。リズム、コード、メロディの周りにあるもの(空気)は、生き物であれば本来もともと感じて生きているものですが、イメージばかりに気を取られ、どうも耳が塞がっていたような気がしています。 これらを譜面にしようと思うと、もの凄い詳細に書き込まなくてはいけなくなると思います。自分のイメージを完璧に表すには、詳細に詳細に命を込めなくてはいけないなあ、と今更ながらに思います。そんな事を思い出させる、美しい曲です。

2011/05/10

copenhagen fun




飛行機の関係で一晩だけ過ごしたコペンハーゲンは、とても奇妙な感覚の街でした。悪い意味ではないんです、ただこの空気は生まれて初めてでして。

街を走る電車の巨大さに、この街の方々がどれほどビッグサイズなのかが容易に想像できました。案の定、私が乗ったすぐ後に乗り込んできた男性は、心優しき巨人といった風貌のもの凄く大きい方でした。私なんかひとひねりだな、これは負ける!という気持ちを何故かおこさせるものがありました。夜のエロティックショップの多さ(宿泊した地域がそうなのでしょうが)も、意外すぎて恐かったですよ。この上の写真じゃ何もわかりませんね、これは携帯でとったものです。

しかしあれ以来、コペンハーゲンがかなり気になって仕方がない。何かがある、あの街には。海に突き出た風力発電の行列のインパクトも、環境に対しての意識が高いんだな・・というイメージより、ワイルドに大海原を突き進んでいく武装船団の帆というイメージでした。


2011/04/27

hamburg fun





Wolfgang Palm氏と奥様のBarbaraの、上品でシンプルで創造的な暮らしに感動しました。北欧風の厳かな木の美しい家具に、うすい水色の壁、書斎に並ぶ小さくて綺麗な本から古い大きな本、さりげない所に飾ってあるクリスタルや豆電球が、すごく美しかった。

その昔は、スタイルばかり気にする事を嫌っていましたが、それは上辺の事。真のスタイルがここに有りました。その人が生まれてから築いて来た自然のスタイルは、その人の芯の強さになる。顔に刻まれる皺の様に、自然に、人に敬う気持ちを起こさせると思いました。

2011/04/19

from Berlin



人との出会いに恵まれた滞在も、残す所あと1週間ほどです。残りは、幸運にもコラボレーションの機会を得る事が出来た、nylonというベルリンのユニットのarnold kasar氏とのレコーディングに力を注ぐつもりです。そして、wolfgang palm氏にプレゼントしていただいたppg wave 3を使って幾つか明日に向けての音楽を創る事にも。そして幾つかの密かなミッションを(後述します。完全に趣味ですが。)確実に敢行し、帰ります。

上の画を観て下さい。ドレスデンに住む友人マルクスのパートナー、画家であるアンヤが描いてくれた我が家の愛しのアンリ君の画です。貰ったとき、信じられいほど嬉しかった!この贈り物には、心から感激しました。色々な意味で・・。一瞬の輝きや想いを、ずっと留めておきたいと願う芸術の力に。

ブログには少し腰を落ち着けて色々の事を書きたいと思っているうちに、随分時間が空いてしまっていますが、ツイッターはやはり手軽なので、そちらには逐一状況を書き込んでおります。見られる様にしておきますね。

大切なお知らせとして、19日(本日)には、歌で参加させて頂いたHiroshi Watanabeさんの新作アルバム"sync positive"が店頭に並ぶとの事です。tower records新宿店、渋谷店では、ヒロシさんの写真のパネル展示も開催されるそうで、とても観たいです。どなたかskype経由で観させてくれないかしら・・。

2011/03/31

scent of tomorrow


明日から3週間ほど、ベルリンを中心にドイツを旅して参ります!
ハンブルグではPPG WAVEのWolfgang Palm氏にもお会いする予定です。そしてまた友人を訪ねに、さらに憧れのメビウスの影をおって、パリへも少し足をのばします。

私自身が希望を失わず、与えられるものがあるなら必要とされた時に与えられる力を、または自分自身が必要な時に自分に与えられる力を失わない為に。旅が栄養となってくれると良いです。今の日本の状況を、外から見るとまた違った見方が出来ると思うよ、とヒロシさんに言って頂いたのが凄く印象的で嬉しかったです。

さて、4月20日に発売されるHiroshi Watanabeさんのアルバム"sync positive"が試聴可能になっております。こちらでお楽しみ下さい

10曲めのscent of tomorrowで歌と歌詞を担当させて頂きました。明日への香り、と言う意味です。歌詞については、また語らせて下さい。

では元気に!行ってきます。

2011/03/21

・・・

3月11日の大震災によって被災された方々へ、心よりお見舞い申し上げます。
1人でも多くの人々が、見過ごされる事無く救助され、温かい食事と、安全な場所と、安心が行き届く事を願っております。そして、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りします。


震災後の一週間ほど、本当にここまでの出来事、感情の変化(感情のダイナミックな変化を全国民が一体化して同時に体験しているのではとビリビリと感じてしまう・・ツイッターを感情的に始終見ていたからでしょう)を今まで感じた事が無く(次から次へと起こる想像を絶する出来事が重なっている訳で、当然ですね)、ただ事の流れの中に身を置くだけでした。

もちろん、今現在も時間との闘いを強いられている方や極限のストレスの中にいる方が多くおられる事を思うと、自分の事を語る事を戸惑います。感情を、被災された方々の方に持って行くと、ただただ飲み込まれてしまう。自分の気持ちを被災者の方のそばにぴたりと持って行く事は私にとって非常に困難な事です。

私も多くの方と同じ様に今まで感じた事の無い様に気持ちが疲れてしまいました。言葉にかえにくいですが、はじめはただ茫然として、次第に自分の事を考える事に追われてしまいました。次々起こる問題がまるで大きな鏡の様に、自分自身をうつしだして行く感覚は初めてでした。恐怖が形を変えてあわられたのでしょうか。

4月からドイツに数週間行く事にしていて、その為に音楽も作って行こうと決心し着手していましたが、震災後は、私の音楽への創造力、想像力はあっけなく壁が塞がった様になってしまいました。今もまだダメなようです。勿論没頭したい思いは常にあるのですが。

音楽などやめにして、看護や治療の勉強をするべきだと真剣に思いました。感情的で子供じみた思いです。その器が無い事が自分には良く分かっているからです。

具体的でしっかりとした支援のシステムに力の及ぶ範囲で協力する事以外は、自分のやれる事・やりたい事は一日でガラッと変わる訳も無く、音楽しか今の所は無いのです。もし私が図書館員だったら、それしか無いのです。もちろんこれから先は分かりませんが。

音楽の出番はあとの方です。人々が想像の余地を埋める事を楽しめるほどの普通の状態になって来た時に、ある一瞬の、一種類の遊び場所として、楽しめるものを少し提供出来たらそれで良いのです。その為に自分の想像を必死に磨いて用意しておく事しか、出来ないなあ、と。

そう思うに至るまで10日ほどかかりました。全く考える事の出来なかったドイツへの旅は、ギリギリの今になってやはり行こうと思える様になりました。もちろんどうして行くのか、覚悟とまでは言わないけれど、きちんと目的をクリアに出来ないのなら行くのは止めようと思っていましたが。

ドイツを訪ねる意思の宣言の様になってしまいました。自分の事、自分の周りの大切な人々、私の感情の及ぶ範囲は実際はそれ以上に広がらないのだろうけれど、自分の身に置き換えて気持ちを察そうとする、という基本的な術と、鳥の様に空から出来事を分別する知恵を絶対に手放さない様にしようと強く思います。


2011/03/10

Sync Positive



昨年からMINGUSSの新しいアルバムのプロデュースをして頂いているHiroshi Watanabeさんの、ギリシャKLIK RECORDSよりリリースする新しいアルバム"Sync Positive"のラストナンバーに、歌と作詞で参加させて頂きました。4月20日に、ギリシャと日本で同時発売です。アルバムについてのヒロシさんの想いはここに。

どの楽曲も美しいだけでなく、大地に深く根をはった揺るぎない力強さが感じられます。とはいえ、アーティストは常に孤独な闘いを独り繰り広げているもので(きっとどの種類の表現者の人も同じだと思いますが)、フッと息を吹きかけられただけでしなしなっとどこかに飛んで行きたくなって、そのまま帰ってくる勇気と言うのはなかなか取り戻せなかったりもすると思います。ただ、どこかへ行っても、何度も自分の軸に戻ってくる事が出来るとそれが糧になって、どんどん太って行く事になるんでしょう。その自分の軸に立ち返った強さが、音に込められていて、私の心を揺さぶります。

こう考えると、一度強烈なパンチでもくらって、どこか遠くに吹っ飛ばされるのも良いのかもしれないと思います。全ては音に。マイルスのトランペットの様に。「俺の肌の色は、俺の名前だ」と言うように!

是非、ヒロシさんの新しい音楽を聞いて下さい。

2011/03/09

optical frequency



先月残念だった事と言えば、この心底気に入った清水児王さんの「クライゼンフラスコ」を2度しか見られなかった事です。作品解説もここにずらっと書きたい所ですが、少し長いので根気のある時に。私にガマンと根気が芽生える事を祈って!そのかわりと言ってはなんですが、清水さんが引用していたバックミンスター・フラーの言葉をばさらに引用させて頂きます。いざ。

「物理学はこれまでに直線を見出していない。ただ波を見出したばかりである。物理学はこれまでに個体を見出していない。ただ高周波の生じる場を見出したばかりである。宇宙は、平行な三次元直交座標に従ってはいない。物理的エネルギーの世界は、常にあらゆる方向に拡散するか、または一点に収束する。 —フラー」

ムズカシイ!と思わないで冷静に読んでみる。

数学をきちんと学んでいないこの頭で5%くらい理解出来るニュアンスで考えてみると、ここには数学や物理という言葉が並んではいますが、そこからイメージする固っ苦しさや、限定されて答えが1つしか無いシャクシ定規なイメージとは全く別の、捉えがたいあやふやな、変化自在なものが、実はこの学問を学んで行くと見えて行くのでは無いかと気付きます。

そこにきっと美術や音楽が生まれるスキマがあるのでは、と。

とはいえ、やっぱり数学はニガテなんですよね、、、残念ながら。

2011/03/01

vestigial


なにかにつけて進化して行く世の中だけども、音楽においては退化を視野にいれて考えている。その場合の退化はローファイになる、とか、全く練習した事も触った事も無い楽器を使って感覚に従って演奏を行うと言う話では無い。(それはすでに進化した先のバリエーションだから)


もっと生命に近くあること、と言うか。全く空気感しか掴めていないのだけど、原始的な知性とか、細胞がもともと持つもの凄いシステムとか、そういうものにとても強く惹かれるので、注目している。


音楽にどうそれがいきるのか、さっぱり分かりません、もちろん。その上、それを退化と呼んでしまうのはおそらく間違いだと思うけれども。「星新一」的な話で言えば、何万年も先に原始人になってしまっている人類を、何万年も昔から来た文明の発達した人類が保護しにくると言う話が思い出されずにはいられない。