2013/03/11

100,000 years



すっかり春らしくなって来ましたね。さらにすっかりご無沙汰していたここ1、2ヶ月の間、個人的にとても慌ただしくもあり、その実、日が暮れて行く様をずーっと最後まで眺めたり、野良猫の縄張り争いをはらはらしながら家政婦の様にのぞいたり、梅の木の幹にさわって「なるほど。意外と中がスカスカしている感触だな」などと感じる暇のある、ゆっくりとした日々を楽しんでおりました。なんとも貴族的ではあるまいか!今は、生命を楽しんでいます。

写真は、クリシュナムルティと言う思想家で、かなりの著書を残している人物。家にも書が何冊かあり、父に遥か昔から読む様に勧められていましたが、この人はちょっと避けておこうと第6感が囁き、随分と読む事を敬遠していました。というのも、自立出来ない精神の拠り所としてのめり込んでしまうような、マユツバ系のスピリチュアル・マインドが私は嫌いで、そういう部類の思想の人と思っていたからです。

ところが、読んでみるになんとも現実的と言うか、冷静と言うかユメが無いと言うか。この現実を突きつける感じは結構イケると、今何冊か読み進めています。彼の思想と言うよりは、彼の自然に対する感性がとっても詩的で、私はその部分に惹かれています。

さて、クリシュナムルティにハマりゆっくり過ごしつつも、次回の作品は大体こんな感じになるだろうと大体決まりました。題名すらも決まっておりますので、またゆっくり取り組んで行きます。どうぞ末永くお付き合い宜しくお願いします。

2013/01/25

Kasar Remixed



2011年にベルリンにひと月ほど遊びに行った際に、縁があってArnold Kasarさんと言う音楽家の完成間際のアルバムの一曲にヴォーカルで参加する事になると言う、とても有り難い偶然がありました。

曲はSolo Sunnyと言う映画からインスパイアされたものだそうで、Arnold氏のスタジオで既に素晴らしいオケが出来ているのを聞かせてもらい、すぐにメロディを付けたデモを送り返した所気に入って頂き、その後東京とベルリンでファイルのやりとりを経た末に、2012年に同曲の収録されたアルバムが目出たくリリースとなりました。

このアルバムは"The Piano has been Smoking"と言う、とてもクールでスモーキーで、、私にとってはベルリンの冷たい空気を心地よく感じる素晴らしいアルバムです。是非聞いてみて下さい。

さて、今回新たにこのアルバムから"Solo Sunny"をAlex Barckに、"Put a Light on Me"をEva BeによってリミックスされたヴァイナルがSonar Kollektivよりリリースされました。

音はこちらで試聴出来ます。

更に、日本でも手に入るのかざっと探した所、Jetset Recordsさんで取扱いがあるのを発見しました。他にも入手出来るお店があるのかもしれません、少し探してみます。

是非手に入れて聴いてみて下さいね!

2012/12/27

where do we come from

 

間もなく2012年が終わろうとしていますが、これが2212年だとしても恐らくそうは変わらない挨拶を人々は口にしながら、果てしなく年を重ねていくのだろうなあ、なんて思っています。皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年は思いもよらず(思いもよらぬ場で)ライブを重ねる事が出来て、その為に次に続くアイディアも出てきましたし、ミンガスとしては今までにない快挙の1年だったと思います。来年は制作中心の年になると思いますが、これからもマイペースな活動にお付き合い頂けたらこれ以上嬉しい事は無いです。

年の暮れの夕暮れの中Derrick MayのKaotic Harmoneyを聞きながら、思う事。

私はデリックの音楽でこの曲が1番すきなのですが、、というよりこの曲に如実に彼のビジョンが表れていると私は思うのですが、、この音楽が流れてくるとどうしようもない郷愁の念の渦に魂の全てが包み込まれてしまうような感覚を覚えます。

変な言い方ですが、(私には1番正しく言いえている言い方だけれど)、魂というのか生命の源のエネルギーと言うものは、ここから生まれてやってくるんだなあ、と思える音楽です。

だから、「故郷を思う」と言う意味を超えた「郷愁」をどうしようもなく感じてしまうんだと思います。

どのような種類の音楽も在りえますが、私はむしろ音楽の可能性よりこの郷愁を生涯追い求めたい。幻想を抱いて生きることは私の望むところではなく、現実のすぐ向こう側にある夢、現実と平行して存在しつづける夢をみながら、それを表していく事こそ、私の意志の望むところです。

それでは、皆様どうぞ良いお年を!

2012/12/07

thousand minarets



さて、もう12月ですね。少し間があいてしまいましたが、まずはご報告として。エジプト〜ベルリン旅行は今回は中止となりました・・・!こんなにも色々調べて盛り上がっていた所ですが、無しです。諸々の事にはタイミングと言うものがありまして、今回はアラーに呼ばれなかったと言う事ですね。。

残念は残念ですが、次回行く時は更に知識を深めて行けますし、色々の計画の準備がもっと本格的に出来ると思えば、今回の事は更にエジプトへの想いを募らせる為のステップなのだと諦めもつきます。また、今回初めて中東へ行くぞと言う事になり、今まで無視して来ていた中東を軸にした歴史に目が開いた事も、大変有意義だと思っています。(歴史的、宗教的な側面を、音楽としてだけではなく何か・・別の方向でいずれ表してみたいと計画しています)

マニュエルと会えなくなる事も非常に残念です。しかしこれすらも、次回行く時はきちんと音源を持って行けるし、それくらい整っていないと会いに行ってはイケナイ!と思う事にして自分自身を励ましております。

千のミナレットの街と言われるカイロ。それぞれのミナレット(のスピーカー)から同時にアザーンが鳴り響き、町の喧噪と一体となった音の塊は、一体どんな感じがするのでしょうか。しばしのお別れです。インシャッラー!(神の思し召すままに)

2012/11/09

coptic



月日の流れるのは早く、もう11月ですね!

月日と言えば、最近アマゾンで発見されたある民族には「時」の概念が無いとかで、話題になっていましたね。本当ならば、深く感銘を受けます。

しかし、少しばかり疑っている部分がありまして、、。なぜなら最近「世界民族大百科」なるものを借りて読んだ際、1番胸を熱くした『全部で20数人からなる部族。戦争や、敵と言う概念を持たないタサダイ族』が、素敵だけれどもあまりにも浮世離れしている感じがしたので調べた所、実は有名なでっち上げ(政府ぐるみの?)部族だったと言う事が分かって、非常にがっかりしたからです。その大百科は、嘘だとばれる前に出版してしまったんでしょうね。ある意味、伝説的な本です。

タサダイ族にがっかりしたと同時に、未開の部族にロマンを求める自分にもちょっとがっかりです。

さて、引き続き時間があればエジプトの歴史、ひいてはアフリカの歴史を調べています。

前回は、砂漠への思いを語りましたが、今回はコプト教について。エジプトの宗教と言えば、イスラム教ですが、少数ながらコプト教徒も住んでいます。コプト教については、是非調べてみて欲しいですが、平たく言うとエジプトのキリスト教の事です。オールドカイロと言われるエリアに行くと、古い教会や修道院があり、オールドと言うその名の通り、イスラム教が入る以前、エジプト人の多くはキリスト教でした。

エジプトに関する本を読みあさっている途中に知り、何故か異様に惹かれる様になったコプト教。恐らく、原始キリスト教を厳粛に受け継いでいるコプト教徒の佇まいに威厳を感じた事と、砂漠の中に修道院を構え、現世との関係を絶って神に仕える姿に、どちらかと言うと仏教徒の様な境地を感じたからだと思います。砂漠+仏教なんて、超絶クール!!と言うのが、まあシンプルな理由でしょうか。

と言う訳で、コプト教の修道院や教会を出来るだけ(安全に)観て来たいと思います。

同時に、今回もエジプトの後はベルリンへ行く事になっていますので、今着手している音楽を少しでも完成に近づけたいと思っています。マニュエルさんとも、今回はきちんとアポイントメントを取りました。もはや、私のグルですので、会えるだけで嬉しい!・・・でも、それ以上に新たな空気を吸い込んで、記憶して行ける事がとても嬉しいです。

それを音楽として(または別の形で)表して行く事が、何よりの希望で、喜びですね。

2012/10/15

sand



一昨日、新世界でのライブを終えて来ました。今回は、随分冷静に色をつける事が出来、ああこのやり方もまだ深められるなあなんて思いました。ご一緒だったMANDOGさんにも「SAXとの演奏が深い所で繋がっている、深い所から来ている感じがした。深い海を漂っている感覚がした。」と、この上なく嬉しいお言葉を頂きました。MANDOGさんに言って頂けると、自信に繋がります!

さて、話変わってエジプト行きは決定しました。音楽が目当ての旅ですが、何となく、民族音楽を聞いたり録音したりする事は段々どうでも良い感じになって来ました。それよりもどう考えても世界遺産がゴロゴロしているんだもの。。そして、演奏会へ行くよりは、街の香りをかいだり(クサいのはパス)、耳をすませたり、ピラミッドの見えるカフェかなんかでずっと一日過ごして空の移ろいを眺めたりする事の方が、より音楽へ向くような気がするのです、私の場合はですが。

しかし、今回は絶対に逃せない事がありまして、、

それは「砂漠」です。エジプト人にとってはただの砂漠かもしれませんし、私にとってだって砂漠は砂漠です。が、私の中では1年程前から「砂の質感」への憧れがあって、それはRoland Kirkのサックスにも感じるし、Nina Simonの声にもJoni Mitchellの声にも感じる。つまり砂の質感はブルースに感じる質感、そのものの様に思えます。なので、砂漠を全身で感じに行く事はマスト。それは、マンション前の公園の砂場の砂じゃダメなんです。アフリカ大陸の砂じゃなければ、ダメなんです!

でも、私は安全第一なので、こ綺麗な砂漠ツアーに参加しようと思っております。

2012/09/30

blue nile



9月ももう終わりに近づき、ただ今最も興味を持って調べている事はイスラム教に、アフリカ・西アジア史。何をいきなりと思われそうですが、一応経緯と目的はあるのです。

と、そんな今日この頃、どうやら年内にエジプトのカイロに行く事になりそうです。叔父がカイロに住んでいると言う事もあり、いつかは行くのかなあなんて思っていましたが、周りの友人を含めなんとなく「今しかない」流れになって参りました。

中東の情勢は非常に不安定で、外務省の情報を見ても「十分注意して下さい」を下回る事は、ほぼない模様。カイロときたら、革命から6月の大統領選までの間はもちろん、その後もずっと「渡航の是非を検討して下さい」でした。が・・・神の御心か、9月頃に引き下げになりまして、晴れて「十分注意して下さい」になったのです!

(と、思った矢先にムハンマドを侮辱する映画事件が発生していますが、どうやらまだ引き下げのままです。)

と言う訳で、もしこのまま無事に事が進めば、初のイスラム圏への旅となります。

現在、あまりにも中東の歴史・民族・宗教・政治に対しての知識がアッパッパー過ぎるため、急速に色々調べています。

イスラム教・ユダヤ教・キリスト教・パレスチナ問題・・・等とざっと調べて行くうちに、その地へ観光へ行く事に対して「危険だから」と言う理由での躊躇ではなく、なんとなく、私の様なお金にも大して不自由した事の無い「八百万の神の住む日本」人の、無宗教の女が、急に「イスラム教に興味があるから」「アラブ音楽に興味があるから」「そんな流れだから」と言う理由でバカンスに行く事に対して、別の意味での躊躇する心が湧いて来ているのは否定出来ません。

でも、それを言っちゃあおしまいよ。1つの細胞として、エジプトと言う未知の生き物にちょっと絡んでみよう。出来るだけ学んでから行こうと思います。

・・そして、そんな流れとはよそに、10月12日に「新世界」にてThe Dublessのリリースパーティーにてライブをします。詳細はまた後ほど。

2012/09/10

ritual



先日MUSIC SHAREにて本田みちよさんと楽しくトークをして参りました。私の慣れぬベシャリでお聞き苦しい所があったらば、大変失礼しました・・!アーカイヴがOTOTOY TV♭"MUSIC SHARE"にてアップされていますので、良かったらまた楽しんで下さいね。

ここ最近民族音楽しか聴いていないのは本当の事で、もっと言うとあまり音楽を聞かない日すら増えて来ているこの頃です。

次回作に民族音楽への興味が反映される事は間違いないのですが、問題は反映の仕方ですね。単純に、アラブの楽器をはじめ民族楽器の音は素晴らしいですし、音楽の構造もテクノそのものだと思うし、音階も西洋のものより複雑で素敵なので、それらの要素を入れればそれは良い感じの物になるに違いないですが、更にもっともっと分解して咀嚼してから、次回への反映のさせ方を模索したいと思っています。

また、民族音楽の在り方と言うか成り方と言うか・・なんの為の「音楽」なのか、どういう意味や役割を持つものなのか、思考を音楽の生まれたその時の脳みそまで戻して、体感して、音楽の原始的でありつつも新たな見方を発見してみたい!と思うのですが、、それにはなんだか脳の構造まで変えなきゃいけないですからね。そこは想像で補うしか無いのかしら。。ホモサピエンス=サピエンスの遺伝子の記憶を信じよう。

今はしばし、周りの目や評価を気にしないで、次回作への欠片を描きだして、どんな全体像が見えてくるのかを落ち着いて探って行きたいです。ツイッターやフェイスブックをやっていると、直ぐの評価がどーしても気になっちゃうんですよね、わたし。あれは、嬉しい反面、息が浅くなる=酸欠になる面もある。なので、しばらくライブも無い事だし、思う存分、自意識を次回作につぎ込みたいと思います!この時が、本当に1番楽しい時期です。

2012/09/07

MINGUSS on MUSIC SHARE

9/1に行われたTENKA3はとても楽しく素敵な思い出となりました。

サウンドチェック前にひとり会場を抜け出し、山道を歩き民家のところに出た途端に激しい雨に見舞われ、傘もないし時間も迫るし、仕方が無いので上着を傘に、走って山道を戻ると言う事件がありました。

その時の、遠く聞こえる雷と、焦りの為に大きく聞こえる自分の息使い、口が乾いて無言でただ走っている様子は、はたから見るとアホらしいですが、本人は「これが自然と言うものか。カミ様今は助けて。」と必死に祈っておりました。「インディアンの気持ちが少し分かるなあ」なんてね。自然と言うか、キャンプ場ですしね。イノシシが土を掘り返していたらしいけど、、。

持ってゆく機材、使う音色によって全くライブセットの印象が変わりますが、TENKAの時は少々コズミックな音色をチョイスをしたので、途中の土砂降りの雰囲気と良く響きあったかもしれません。次回野外で出来る機会があったら、もっとインプロの部分を長く取って、より周りに溶け込みたいです。

さて、次回は9月8日(土)MUSIC SHAREという音楽番組にて短い演奏とトークをします。Ustreamからご覧になれますので、良かったら是非。トークはレイヴ・パーティー以上に初めてです。そして政治家以上に失言が多く、笑ってはいけない所で笑う方なので、多少気をつけます。

9/8(土)21:00~ON AIR OTOTOY TV♭ "MUSIC SHARE" MINGUSS 21:45~(予定)

2012/08/31

TENKA3



直前の御知らせになってしまいましたが、明日9月1日(土)初めてレイヴ・パーティーでライブをします。レイヴってなんの事かは知っているつもりだけど、実際どういう意味なのかナーなんて試しに英和辞書でレイヴと引くと、【Rave:らんちきパーティーに参加する】などと出てくるので、眉をひそめている次第です。決して「らんちきパーティー」に眉をひそめているのではなく、MINGUSSがらんちきパーティーに来る人を楽しませられるのか、と言う点に疑問をもっている訳です。真実は明日この目で確かめて来ますね!明日の出演陣も、とても豪華です。


TENKA3   2012.09.01(SAT) 18:00 START  ■おおばキャンプ村 東京都西多摩郡日の出町大字大久野3741

[GUEST DJ]
HIROSHI WATANABE a.k.a. KAITO
白石隆之

[GUEST LIVE ACT]
KENSEI+COPPE’+TONE
mergrim×kazuya matsumoto
MINGUSS
木歌(mocca)


and more...

タイムテーブルはこちら

MINGUSSの出演は午前3:20~4:00になります。夏の終わり、真夜中の奥多摩ではどんな音が聞こえるのか?とても楽しみにしています。

2012/08/17

Live at AIR




DOMMUNE出演→AIR出演→FREEDOMMUNEでマニュエル・ゲッチングさんと3度目の再会・・と言う怒涛の夏のひと時を送っておりました。60歳を目前にしたマニュエル自身と再会して感じた事、演奏された彼の音楽に対して感じた事、それらはとてもとても複雑なので言葉では表し難く、繊細で移ろいやすいイメージとして、でも強く鮮明に残っています。

ひとつ、小ネタとしては、マニュエルの「レディファースト」な心遣いを直に受けてしまって、日本人の私は機転が利かず、凄く恐縮だった事がありました。亭主関白的な日本の建前を、難なく自然に受け入れる事が出来ている私としては、レディ・ファーストはなんとも妙で、変な間をもってしまいますね。

また、ベルリンに会いに行きたいと考えています。出来るだけ、何かを直に受け取りたい!

さて。Night of the Visionをリリースして約1年。随分と次の作品へのアイディアも明らかになってきて、前回のAIRでそれが顕著に現れたかもしれません。とはいえ、色々な意味でライブの音楽はライブの為のものですので、それは実際に描いているものの一角でしかありません。9月以降はライブの予定も無いので、一旦腰を落ち着けて、次回の作品に突入して行こうかななどと考えています。次回のライブは9月1日。また詳細は後日お知らせしますね。

動画は、AIRでのライブ音源になります。DOMMUNEでの録音録画は残念ながらありませんので、もし録った方などいらっしゃいましたら、是非是非教えてください。