2015/12/29

berlin 2015

2015年も残すところ数日。しかし今年は今までに増して年を越す事に対しての感慨がない。私にとって新年とは、冬至を過ぎた頃に始まるという感覚がある。その日を境に徐々に日が伸び夏至に向かっていく感じは、実にパワフルでとても好きだ。まだまだ冬真っ盛りではあるのだけれど、確実に夏に向かっている、未来に向かう感じがする。

今年一番の出来事は間違いなく、娘とドイツを訪れ、マニュエル・ゲッチング氏のお宅にてワインと会話を楽しんだ事。そしてダルムシュタットで行われた友人の結婚パーティーに行った事。これにつきる。

2歳3ヶ月の娘との海外遠征はもちろん不安ではあったけれど、予想をはるかに超えて楽しい旅だった。まるで我が街を行くようにベルリンの街をずんずんと歩いて行く娘の頼もしい事。彼女にとっては、ベルリンだろうが東京だろうがそう変わらないはず。むしろ、私の心の高揚に反応していたのかもしれない。とにかく娘は楽しそうだった。 
 
 

マニュエルとの再会。この日の夜にルッツ・ウルブリッヒとのリハーサルがあり、数日後にはオランダでの公演を控えていた忙しい最中に自宅に招いてくださった。近々引っ越すので散らかっていてごめんねと言っていたけれど、そんなのは気にならないほどドカンと大きいアルトバウ(古いアパート。築100年近いのでは?)。白黒映画で見るようなふるーーーいエレベーターで5階へ。玄関入るとすぐに大きいソファ。本と書類が天井まであふれていると言う感じで雑然としているのだけれど、そこで音楽を演奏し、考え、生活している、根のおりた落ち着きが心地よかった。あと2つアパートの部屋を持っているそうなので、おそらくここはコンピューターベースのスタジオなのだと思う。写真を見れば分かる様に、とてもシンプルなシステムでやっているんだよと言っていた。奥さまで映画監督のイローナと3人でテーブルを囲み、少しの、夢の様な時間を過ごした。


娘は、ベルリンがお気に入りの様だ。知った道を行くがごとく、私の先をどんどん歩いていった。


ウエストサイドギャラリーは、4年前来た時に比べて落書きが深刻な状態だった。写真の彼らは、黙々と落書きを消す作業をしていた。


ベルリン。ベルリンの事を思うと、創意や挑戦の空気で胸がいっぱいになる。今すぐにでもまた行きたい。

娘とはどこにでも行きたい所に行こうと思う。彼女の為になるとか、情操教育とか、そういう気持ちは全くなく、むしろ私のワガママにすまないが付いてきてくれと言う感じ。彼女はまだ小さいから私についてくるしかないのだ。来年もまたどこかに行こうと思う。

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