2010/12/12

jio shimizu



少し前の事になりますが、オペラシティのICCにて出会った志水児王さんの作品は、それはそれは私の観てみたいものに完璧に応えてくれているロマンチックなものでした。この装置を使ってきっともっともっと壮大な作品がいくらでも創れそうだなと思わせる所が私にはド真ん中直球なんでしょうね。

その昔、ディケイドな昔々の高校時代に、親しくしていた友人が長野まゆみのある小説を私に大いにすすめてくれて、その物語の中で描かれたある街の描写が私にはもの凄く印象に残っています。その小説はファンタジックな作品なので、もちろん描かれる街も新宿や渋谷やブクロの様な現実的なものではなく、青い噴水が静かに立ち並び、プラットホームの床一面にプラネタリウムが敷き詰められている様な、しんとした透明で美しい街並みなんですね。

で、当時の私の頭の中ではそれは至って自然に自分にフィットする理想の街並みだったので、「良くぞここまで私の理想を言葉にあらわしてくれたなぁ」とずっと覚えていたのです。そしてもちろん今でも、この様な街並みが出来る未来をとても夢見ているんですな。無理か無理でないかは全く考えていません。

そこに、この児王さんの作品はとても、夢を夢でなくする技術を見せつけてくれたもので(私にとっては)、こういう出会いは嬉しさで興奮してしまいます。

光の性質と、クライゼンフラスコという特殊なガラスを使って生まれる光の模様が、もう驚くべき繊細さで生き物の様に移ろいながら壁に映るのだけど、もう洞窟のなかで、洞窟全体がクリオネとかそういう生物の様でした。

そして、作品の部屋に入る前に作品解説の文章がかかっているんですが、こっれがまた渋くて・・。暗かったけれど、頑張ってメモしました。そのうち載せます。

ついでに、ICCでは2月末まで「みえないちから」展をやっていて、そこでこの児王さんの作品はもちろん、ドイツの画家でアニメーション作家のオスカー・フィッシンガーの作品がメインで公開されています。入場料500円とは、驚きですよねぇ!オープン・スペースでも無料で多くのテクニカルな作品を体験出来るし。

0 件のコメント: