今最も惹かれる場所、今すぐ行きたいところはと聞かれたら迷わずスリランカ、と答える。(以前はアラスカと答えていた。もちろん、アラスカは今でも行きたい。)もっと言えば、熱帯建築家ジェフリー・バワのホテルへ行きたい。そもそもは、BSか何かでジェフリー・バワの建築を柴咲コウが訪れるという短い番組を見て、そのインド洋を臨む「ジェットウィング・ライトハウスホテル」の激しさに度肝を抜かれてしまったのがきっかけだ。
こちらがそのホテルの代表的な景色なのだが、番組の中ではちょうどこの場所の収録の時に天気が悪かったようで、物凄く海が荒れていた。風が吹き荒れ、空は灰色で、海も灰色。でもそれが感動的なまでにエネルギーを放っていて、ホテルの洗練された空間との対比が最高に格好良かった。しかしどの本を見ても、この場所は上のように青い海をバックにした写真しか探すことができない。いずれここに行く時は、ぜひ海に荒れていてほしい。
一番上の写真は、「ルヌガンガ」というバワが作った理想郷。バワの邸宅でもあり、泊まることも可能。特にバワ建築に泊まる事に欲望はないが(むしろ、自分のスーツケースをあの素敵な空間に広げたいとは思わない)自然を「取り込む」と言うより、そこに巨大な岩があったらそのままにして周りに廊下を作ってしまうような豪快さを体感してみたいと思う。
結局、岩や樹木や空、海の美しさ、強さに対抗しうるものはないのでは、と思う。どのような建築も。それらをどう縁取るのか、どう動くのか、そしてそれらから身を守る小さな空間をどう造作するのか、という事なのでは。そういう考えを巡らせる事は、音楽を構成する上でとても重要だと思う。
それよりなにより、「ルヌガンガ」という響き、美しい。湿気と静寂を帯びたこの言葉の音楽を作りたい。
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