日本において、というか人生において
今まで味わった事のない種の恐怖を体験した。
プリンスマニアの友人とごはんを食べるために向った
シャトー・ドー駅の光景は
宇宙にロマンを馳せつつ生きられる程平和に育った私には
恐過ぎた。
そこら一帯はものすごい数のあまり余裕の無さそうな人達が
たむろして居た。
道の至る所に何をするでも無しに何人かのグループでブラブラして
メトロに降りる階段を囲んで居たり。
また美容院は彼らにとって社交の場らしく、
店の中でも外でも何するで無しに、とにかくたむろす。
もちろん危害を加えられた訳では無いけど
何しろそんな状況に近い体験をした事が無かったため
それまでルンルンで夕暮れのパリの散歩を楽しんでいたのに
一気に無言に早歩きになり、本気で冷や汗が出た。
多分体が戦う準備と逃げる準備をしてたんだろうなあ。
アジア人が全くいないので、
自分達がもの凄く目立つ事も更に緊張 させた。
そのカルチャーを、今思えばもっと知りたかったのだけど
その時は一刻も早く移動したかった。
彼らの仕事が何なのか、どういう歴史があって
どんな生活をしてどんな性 格なのか知りたいけど…。
旅行者の身分では完全にタッチ出来ない世界だった。
写真はその日の午前、ただで見られる美術館にて。
壁一面に描かれている、デュフィの「電気の妖精」。
これすごく好き!
この後の恐怖を知る由も無く。
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