あるアーティストの方が「Joni Mitchellの"Mingus"は、丘の上に立っている様な気持ちになるから好きだ」と話してくれた事があります。その言葉は私にとって非常に新鮮で、創造に満ちた空気が胸に広がるようでした。以来ずっと、何かを表したい気持ちの原動力になっています。
丘の上で風景を見下ろし、吹き抜ける風を感じる様な素晴らしいこと。音楽には確かに、ここではない何処かの場所を懐かしく感じさせる力があり、その爽やかな力は尽きる事の無い豊かな精神的資源になります。
夕陽が沈んで行き空の色が刻々と鮮やかに変わって行くのを眺める事や、素晴らしい色彩の陰影を見せてくれる山の表情に魅入る事。 それこそが音楽なんだなと、ますます思います。敬虔な思い、と言うものに近いかもしれません。
作品を作りたい気持ちと同時に、もう少し思考や静かな感動を深めて(広めて?)行きたいと言う気持ちがあります。幸か不幸か、今はまだ作品を作り込む余裕など無いのですが!・・・しかし私が眉間にしわを寄せて思考を巡らせている間に、娘はさっさと成長して行きそうですね。
巡らせている思考がいつのまにか淀んだ水溜まりになってしまわないように、来るべきときには軽やかに次の一歩を踏み出したいものです。